千秋 絵の事を話しても誰も興味をもたないのは日本特有の現象ですか?
堀 元NY近代美術館の学芸員がいうには、アメリカでも日本とは基本的に同じだそうですよ。アメリアアリナスの対話型鑑賞教育というのは、皆がそれぞれ好きな事を絵をみて話すんです。を普及させていけば、今はだめでも10年先、20年先日本の絵画を変えて行く、一番の対話型の
堀 我々は「わ」の会と言う事で、美術館を全国の一つの町に一つの“わたくし”美術館を作っていこうという集まりです。それをリンクでネットでつなごうというのが我々の目標です。
その中で上手く画廊さんを初め、美術を作る人、売る人、奨励する人、それを楽しむ人という4人が必要なんですが、現在少ないのは美術を買う人が少なくなってきていますね。
千秋 そうですね。少ないですね。なくても生きて行けるという感覚がありますからね。
堀 あまりにも経済優先に働きすぎているんですよね。
千秋 美術館だけ行く人は多いのですが、買う人はすくないのはなぜだと思いますか?
堀さんの場合だと最初の絵との出会いがドラマチックで、絵を買う人側にはっきりと回られた動機付けはなんですか?美術館だけ訪問していても癒されたかと思いますが、なぜ買ってみようかと思われましたか?
堀 私はほどんど絵を買い集める前は美術館に行った事がありませんでした。ただポールアンドポールとの出会いで買い始めて、アメリカでいろいろ絵を買ったりそれをプレゼントしたいたりして、ごく自然に絵を買い始めましたね。もしかしたらスーパーのように、庶民が2、3万円程度でお小遣いでかえるような場所がないからかもしれませんね。日本でも公共的な場所で簡単に買う場が少ないのかもしれませんね。ですので、秋華洞さんもお手頃価格の絵を用意したらどうでしょうか?
千秋 秋華洞のカタログ通販という形だと、カタログに費やす費用の方が大きすぎて、安い絵だとなかなか商売にならないんですよね。
千秋 どういう気持ちで絵を購入されようとしているのか?どういう精神世界で絵を集めていますか?コレクターそれぞれに絵を集める事の意味というのがあり、そこに非常に興味を持っていて知りたいのですが、堀さんはどうですか?
堀 すごくポイントをついている質問ですね。
千秋 忙しい毎日の中で仕事からお家に帰ると、自分の買った絵があるっていうのはどういったお気持ちですか?
堀 それはもう、買ったときは嬉しくって嬉しくって。もう恋人みたいなもんですよ!(笑)
分割で絵を購入して、支払いが終わって画廊に絵を取りに行って、作品を持って帰ってくるときの嬉しさはもう格別なもんですよ!家に女房がいるから、こっそり隠して盗み見するんですけど、もうそりゃ〜なんとも言えないです。その数ヶ月間はその絵と作家の事ばかり考えていて、図書館に行ったりありとあらゆる方法でその絵の事を調べて購入するのですが、もうそれは女性とラブラブするよりずっとわくわくしますよ!(笑)絵は恋人とおなじですよ。そうです、絵は恋人です!
千秋(ちょっと圧倒されながらも)なるほど。すごい事をやってきたんですね。
堀 次の絵に出会うと次また同じ事がおこってくるんですから。もう絵の購入というのはそれは恋と同じなんです、恋ですよ。作品にほれちゃうんです。
千秋 その恋は長続きするのと、すぐ覚めてしまうのとあるのですか?
堀 あ〜、それは長い恋の物が残ってくるんですよ。短い恋のものはどっかの押し入れにしまわれちゃいますね。もしくは譲ったりしてしまいますね。
千秋 逆にどんなにお金を積まれても譲れない恋もありますか?
堀 それはもちろんありますよ。具体的にそういうお話もバブルの時よくありましたが、売りませんでしたね。お金が欲しくて自分は絵を集めている訳ではないので。でももし、買いたい人の情熱が伝わり、こいつの方がこの絵を愛してくれるなという気持ちになれば売る事もあるかもしれません。なにせ恋ですから! |